文化財保存修復学会の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
第48回大会および2026年度総会は、令和8年6月6日(土)、7日(日)の両日、山形テルサにて開催いたします。
山形での開催は1997年以来、29年ぶりとなります。大会前日には、本大会開催にあたってご協力いただいている東北芸術工科大学文化財保存修復研究センターの見学会を予定しております。
山形は、出羽三山信仰、最上川の舟運、紅花交易などによって豊かな文化が育まれてきた地域です。厳しい冬と恵み豊かな夏がもたらす四季の風土の中で、人々は生活と信仰、ものづくりと文化を結びつけ、多様な文化遺産を今日まで受け継いできました。
山形市に所在する東北芸術工科大学の文化財保存修復研究センターは、地域に遺された文化財の保存修復実務と調査研究を教育に還元することを理念に2001年に設立され、2006年の専用施設整備を機に活動が本格化しました。絵画、彫刻、工芸品、歴史資料、埋蔵文化財など多様な対象に取り組み、実践に基づく知見が教育・研究へと活かされる場としての役割が徐々に形成されてきました。
文化財保存修復の分野は、現場での実践、科学的分析、記録、そして教育が連関することで、その技術と理念が未来へと継承されていきます。大学や研究機関は、その循環を支える重要な役割を担っています。
本大会が、実践・研究・教育の関係性をあらためて共有し、文化財保存修復のこれからを考える機会となれば幸いです。
会員の皆様にとって有意義な情報交換と議論の場となりますよう、ふるってご参加いただきますとともに、文化財に関心をお持ちの方々にもお声がけいただければ幸いです。
多くの皆様のご参集を、関係者一同、心よりお待ち申し上げます。
2025年12月12日
一般社団法人 文化財保存修復学会